いろいろ思いはありますが、これはあとがきまで大事にとっておくとして。
まず、著作権についての正しい認識を身につけるところから始めましょう。
ここでいきなり、著作権の話なんて難しいし、メンドクサイ、なんて思わないこと。
「どうせ許可してもらえるんだからいいじゃん」とか、
「あそこで誰かが大丈夫って言ってたから、別に勉強しなくてもいいし」とか、考えている人へ。
断言します。それは、間違った認識が広まってしまっているだけです。
「あの会社はイラストとかは許可している【みたい】」「他の人たちも使ってるし」
出所のはっきりしない情報を鵜呑みにする前に、自分勝手な結論を出す前に、
正しい知識を身に付けておかないと、間違えて恥ずかしい思いをするだけでは済まなくなることもあります。
今までいろんな所で「許可しているみたい」「大丈夫らしい」と言い続けてきた人へ。
どうか、相手の考える機会を奪わないで下さい。相手が大事な人なら、なおさらです。
「使っても大丈夫なんだから、著作権なんて自分には関係ない話だ」と思わせてしまっては、その人のためになりません。
そしてあなた自身も、この後の文章に目を通した上で、耳にしてきた話を、もう一度、確認してみてください。
著作権保護の基本的な理念は、本来、誰にとっても「当たり前のこと」のはずです。
全てを理解しろとは言いません、まずは触りの部分を掴んでください。
そして、ぜひ、自分で自信と責任をもって、
あなた自身が、どのようにして人の創作物と付き合っていくのか、という事を判断出来る人になってください。
もし、著作権について詳しく調べてみようと思ったら、様々なサイトに目を通してみてください。
1つのサイトの内容だけで全てが理解できると言うことは、まずありえないと思ってください。
ここに書いてある情報にも、どこか間違いが紛れているかもしれません。
間違いを間違いのまま覚えてしまわないようにするには、いくつものサイトで同じ内容を調べるのが有効です。
「第5回こどもホームページコンテスト」著作権について:http://www.ascii.co.jp/pb/kodomo2005/06.html(法を侵さないための基本です。)
「著作権について考えてみよう!」:http://manner.dnaver.client.jp/
「学校で使える素材集」著作権とは:http://school.skyo1.com/tyosaku.html
「社団法人著作権情報センター」:http://www.cric.or.jp/(まずは「著作権って何?」を確認)
「著作権の広場」:http://cozylaw.com/copy.html(理解に自信がないなら「著作権を考える童話」がおすすめです。)必見
「しゅんしゅんの著作権講座」:http://www.geocities.jp/shun_disney7/(膨大な情報量。リンク先も充実)
「著作権について〜マンガとの関係」:http://www.linkclub.or.jp/~yoo/copyright/(>「著作権者が示す”管理方針”の意味」必見)
「著作権法講義」:http://tatuya.niu.ne.jp/copyright.html(堅苦しさのないコラムは読みやすいです。)
「Blog Copyright Guide」:http://blogcopyrightguide.seesaa.net/(条文の記載や、実際の事件、判例など)
「著作権判例速報」:http://blog.mag2.com/m/log/0000194248/(メールマガジンのバックナンバー)
HTMLタグボード「著作権を理解しよう」:http://www.dspt.net/bgn/006/index.html
超初心者のホームページ作成「14.著作権法について..」:http://beginners.atompro.net/htm/faqhp/hpfaq14.shtml
「僕の見た秩序」個人サイトの画像利用について:http://www.dfnt.net/t/photo/column/use_images.shtml
まこりんのわがままなご意見「著作権に対する私とこのサイトのスタンス」:http://wagamamakorin.client.jp/chosaku.html
ヒーロー同好会&しゃん同盟「山稜の著作権」:http://sanryo.s18.xrea.com/misc/copyright.html
著作権とは
【【小説、音楽、絵画、映画、写真、ゲームなどの作品(著作物)の「作者に対して」認められる権利】】
と定義されています。
それが例え2歳児の描いた絵であろうと、作品ができた瞬間から、その作品には著作権が発生します。
【著作権法】で保護されている、具体的な権利の例をいくつか挙げておきましょう。
「氏名表示権」
=作品に記名するか否か、実名表示するか否かを決定する権利です。無断で表示を変えれば違反になります。
「同一性保持権」
=著作物の内容や題号を、権利者の同意を得ずに、勝手に改変してしまうと違反にあたります。
「複製権」
=著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法でコピーする権利。イラスト化で違反となる場合も。
「翻訳権・翻案権」
=著作物を翻訳、編曲、変形、翻案する権利(二次的著作物を創作することに及ぶ権利)
もう少し詳しく知りたいときはこちらから>http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime2.html
先ほど例に出した2歳児の絵についても、【著作権法上】においては、
(注:著作権法、と、著作権、を混同しないように。権利そのものと法律は別物です)
その作品を写真に撮ったり、あるいは「●●ちゃん、2才のとき」と他人が記念に書き加えることさえ、
文字さえ読めない権利者である2歳児の同意を必要とすることになっています。
実際にはそんなこと確認するわけがないじゃないか、と思うかもしれません。
ですが、こんな行為でさえ【著作権法上】は【著作権法違反】となり、間違いなく確実に【違法】です。
そんなことで罰せられた話なんか聞いたことない、脅す為のウソだろう、と思う人も居るでしょう。
ここで、上記の例の前提になっている一文を確認してみてください。
キーワードは【著作権法上】です。
【著作権法】とは、著作物を製作した作者(著作者であり原則的に著作権者)の保護されるべき権利(著作権)を守る為の法律です。
その【著作権法】には、著作権で保護される権利や、違反した際の罰則に並んで、
著作権法違反が、【親告罪:原告(権利者)からの訴えがない限り罰せられない仕組み】であることが記されています。
勘のいい人はもうお気づきでしょうか。
2歳児の例で、著作権を侵害しても罰せられない理由は、2歳児が侵害を訴えないから、というわけです。
(本当はこれ以外にも違法とならない場合があります。違法にならない「私的使用」についても覚えておきましょう)
例に出したものは極端な事例でしたが、
著作権の仕組みを理解した上で、【著作権者が訴えない】ケースも数多く存在します。
実際の例等については以下を読み進めてください。
長文にうんざりするにはまだ早いですよ。
これはダメ、あれはダメ、なんて話ばかりでは面白くないでしょうから、
ここで私的使用についての説明をしておきます。
サイトのコピーライト表示などに
「データは個人的に楽しむ場合に限って使用を許諾される」
「私的使用の範囲内でのみ、使用できるものとする」
等の表現が記載されていることがあります。
実は、著作権法では、ただ作者の権利守るばかりでなく、ある一定のルールを守った範囲であれば、
自由に、好きなように著作物を使用することが出来る(=利用者の権利)とされています。
使用が許可される条件は、以下の通り。
「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」
自分ひとりで楽しむ分には、どれだけアニメキャラの描こうと、小説を書こうと、ゲームを作ろうと、
どれだけ多くの曲をCDにコピーしようと(注:コピーガードのされているデータは含まない)、
どれだけ本物のゴッホの絵に落書きしようと(注:美術的価値が下がるので別の意味では訴えられるかも)、
【著作権法】で罰せられることはありません。
創作することは自由です。
誰かの真似をして絵を描くことも、絵の上達には必要でしょう。
誰かの真似をして文章を書くことも、表現力の上達にきっと繋がるはずです。
問題になるのは、その利用範囲です。
ブログやサイトで公開する場合、それはもう私的使用ではありません。
私的使用を「家の中」に例えるなら、ブログやサイトは「人目につく路上」です。
興味を惹かれたなら立ち止まり、そのサイトに立ち寄る人も居ます。
あるいは興味がなければ、そのまま通り過ぎる人も居るでしょう。
しかし、通り過ぎる人の目にも、公開した以上、そこにあるものは見えているのです。
その人は、あなたにとって家族でもなければ友人でもありません。
それを私的使用とは、もはや言えないのです。
私的使用の範囲内以外にも、利用の許可される場合
>http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html
私的使用と私的利用の違い。できること、出来ないことが細分化されています。例示も多く分かりやすいです。
>http://www.geocities.jp/shun_disney7/hos3.html必見
ですが、本来なら「私的使用」でしか許可されないはずの「真似」や「模倣」キャラクターの「借用」などは、
ネット上で公開されている作品の中にも、すでに数多く存在します。
次の項はその「版権物(二次創作)」についての話です。
第一項で述べたものについては、基本的に致命的な間違いはない(はず)ですが、
(もしおかしい部分があったらご指摘お願いします)
この先の話には「様々な見解」が存在し、明確なガイドラインがありません。
一見自由な世界に見えるその裏では、誤解や、自分勝手な思い込みなどの危険な罠がいくつも隠れているのです。
ファンサイトなどで、このような文面を見かけたことがある人も居るのではないでしょうか。
厳密には、ポケモンなど他者が著作権を所有するキャラクターのファンサイトを運営する事は著作権法の違反に当たる恐れがあります。しかし任天堂株式会社に問い合わせたところ、ポケモンについては厳しく規制されてはおらず、ゲームの攻略情報やポケモンの画像、ゲーム音楽等を掲載しても問題ないようです。当サイトの掲載している内容には特に問題がない事を確認しております。
「ポケモン徹底攻略」利用規約より引用>http://yakkun.com/info/kiyaku.htm
実際の所、このような文面から「自分たちも使っていいんだ」と判断してしまう例は、非常に多いのですが、
この文章の中には、見落としてはならない一文が含まれています。
当サイトの掲載している内容には特に問題がない事を確認しております。
著作権の利用にはさまざまなケースがあり、許可されるかどうかの判断は、そのケースごとに下されます。
誰かが認められていることが、あなたへの許可にはならないということを忘れないで下さい。
そしてもう一つ、実際に問い合わせを行い、その結果をWebページで公開しているサイトが時折見られます。
しかし、その文面を正直に鵜呑みにするのはやめましょう。
著作権者の見解が、その問い合わせ時点のままであるという保障はどこにもありません。
今、この瞬間に好意的な返答が返っていたとしても、今後大きな問題が起こるなどして権利者の見解が変わる可能性は十分あります。
問い合わせた結果を公開している人物が、その情報が古くなってしまった時、必ず修正を行うとは限りません。
そして、修正を行う義務もありません。
権利者のその時点での見解を確実に知るためには、利用者自身が、利用しようとするその時に、自分で問い合わせをする必要があります。
この項では、現状最も問題視されているグレーゾーン、版権物を題材に使った二次創作についてお話しします。
なお、ここでの版権とは、ゲームやアニメなどの、一般的に有名な著作物を指します。
例えば昔私が創作したキャラクター「Cody」や「茂村松九郎」などは、有名ではないのでこの範疇には当たりません。
(とは言っても私にも著作権はありますので。私の著作権も守ってくださいね。)
まず【版権物(特に二次創作)】を定義すると、
「既存のストーリーやキャラクター等の著作物、および、それを模倣、または借用して、新たに著作物を作ること」となり、
大きな意味では、ネット上に公開されているほとんどのアニメキャラクターのイラストや、パロディ、
あるいはネット内外で売り買いされているような、多くの同人誌や同人ゲームがここに含まれます。
なお、現在の著作権法上で以上のような事例を「二次的創作物」の分類に当てはめることは、
実際かなり難しいのではないか、という見解も世の中に存在します。
(本来「二次的著作物」とは、文学作品の翻訳や楽曲の編曲等に関する権利を定義したものです)
しかし、上に挙げたものや、またはそれ以外のファン活動の全てにおいて、
複製権、翻案権、同一性保持権など、別の権利の侵害行為と取られる可能性は十分にあります。
本来、著作権用語ではない「版権物」という表現を繰り返すのは、
「二次創作」という言葉から、「二次著作物」という枠の中だけで判断しないよう、
著作権全体に照らし合わせて考えてもらいたい、という、yuhiroの意図をこめるためです。
本来であれば、これらの版権物(二次創作)の全ては、
著作権者から【許可】さえ取れれば、何も恐れることなく大腕を振って活動することが出来ます。
しかし、膨大な数に膨れ上がったその二次創作物の全てを(申請のあるものだけでも膨大な量です)、
著作権者本人がチェックする(基本的に本人にしか訴える権利がないため本人のチェックが必要)ことは現実的に不可能であり、
さらに、ある側面においては、版権物(二次創作)が元の作品の宣伝活動の一環になることもあります。
本心で「嬉しい」か、はたまた「迷惑」かという感じ方の差は、権利者や版権物(二次創作)の内容によっても様々ですが、
現実には多くの権利者が、【黙認】という形をとっているのが今の状況です。
中には、ディズニーのように非常に厳しいスタンスの権利者も居ます。
逆に、二次創作に寛大で、快く許可を出してくれる著作権者も世の中には存在します。
「コピーライト」や「著作権ガイドライン」など、様々な表題がついているかと思いますが、
大抵の版権関連サイトには、許可していること、していないことを、ある程度書き記してあるはずです。
まずは出来る限り自分で文面を確認すること。(理解できない部分は人に聞きます)
そして、自分のケースが当てはまるかどうか分からない時は、
先走って公開してしまう前に、まず著作権者に問い合わせを行うのが基本です。
問い合わせをしても、多くの場合、明確な「許可」のお墨付きはもらえないと思います。
しかし、「黙認」のスタンスを取る権利者でも「このくらいまでなら黙認しますよ」とラインを示してくれるはずです。
なお、【黙認】はあくまでも【黙認】であり、著作権者からの許可には当たりません。
ゆえに、この領域は「グレーゾーン」と呼ばれています。
この「グレー」は、「著作権者の許可を得て創作」という「白(法的に全く問題がない)」と、
「無断で著作物を使用し、かつ、権利者から訴えられる」という「黒(違法であり、犯罪)」の、
中間であることを意味します。
グレーゾーンの中にある以上、著作権者に訴えられる可能性は、どれほど低くなったとしても”0%”にはなりません。
「0%」になれるのは白だけであり、グレーは白ではありません。
見てみぬ振りをしていたはずの著作権者から、ある日突然訴えられる可能性もあるのです。
つまり、【黙認】というグレーゾーンの中にあるならば、訴えられた時のリスクを常に考えておく必要があるということになります。
果たしてこれは、あなた一人に背負える罰でしょうか。
回りに迷惑をかけてまで、たくさんのものを失うリスクを負ってまで、
それでもなお表現したいものがあるのなら、その責任を全て負う覚悟をしなくてはならないのではないでしょうか。
逆に、この責任を負える立場にないような子供たち、
「皆が使ってるからいいじゃん」と言い続けてきた人たちに、教えてもらいたいことがあります。
「好きなものを、好きだから使う」だけで、本当にいいのか。
「自分のしたことの責任を負う」ということが、どういうことなのか。
「誰にも迷惑をかけずに後始末することが出来ない」なら、どうするべきなのか。
「誰かがこう言ってたから」じゃない、あなたの考えを持ってください。
人の意見を参考にすることは間違いではありませんが、
その人が本当に正しいことを言っているのか、それともどこかで間違っているのか、判断するのはあなたです。
ちゃんと考えれば、あなたにもきっとどうするのがいいか分かるはずです。
回答/文責: 日本ユニ著作権センターQ 「著作権の問題があるようでしたらご連絡ください。削除します」等のただし書きをしておけば、営利目的でないことを条件に、雑誌の写真などは勝手に使っても良いそうですが、本当でしょうか? 実際にこうしたただし書きをして、写真集の写真を掲載しているサイトはものすごく多いですが…。
A 「著作権の問題があるようでしたらご連絡ください。削除します」等のただし書きは、なんの意味も効力も持ちません。著作物の利用に問題があるか否かは、利用者の責任で判断しなければなりません。
「違法かもしれないので、そのときは削除する」などという態度は、法的吟味をおろそかにしたことの証拠になることはあっても、利用者の「善意」の証明にならないことをご理解下さい。
「日本ユニ著作権センター」Q&Aから引用:http://www31.ocn.ne.jp/~jucccopyright/
(強調部分はyuhiroが付け足したものです。)
一部サイトでは、「パロディなら大丈夫」といった風潮の著作権講座が見られることもありますが、
日本では、パロディを許す著作権法の規定はありません。裁判でも、いままでのところ、パロディは認められていません。ですから、複製権、翻案権の侵害となります。パロディについて安易に考えることは危険です。「日本ユニ著作権センター」Q&Aから引用:http://www31.ocn.ne.jp/~jucccopyright/qa/qa01-005.html
パロディを合法である、と解説するサイトの多くは、海外の判例を例に取り上げています。
特にフランスなどでは、パロディは法律上で厳密に規定され、その要件を満たす限り合法であるとされているようです。
しかし、現在の所、そのような内容に相当する条文は、現行の日本の著作権法の中には見当たりません。
世界的な風潮で今後パロディが合法と認められる可能性も、ないわけではありませんが、
上記Q&Aから引用した文の通り、現状でパロディを安易に考えるのは危険です。
パロディの条件を満たしているつもりの二次創作であっても、
その他の版権物(二次創作)と同様に、しっかりリスクと責任を認識してください。
許してもらえるだろう、という甘い考えを持っている人間こそが、果たすべき責任や誠実さを忘れてしまうのです。
このような盗作は、版権物などの有名な所からよりも、
圧倒的に個人サイトなどでひっそりと公開している作品から盗作されるものが多いです。
「このサイトからなら、盗んでもばれないだろう」「大手サイトと違って、ばれても大事にはならないだろう」
そんな薄汚い魂胆が、そこには見え隠れしています。
しかし、作者が明らかに盗作だと思い、訴えても、
「たまたま似ていただけ」(双方が双方の作品を知らずに類似物を作った場合、侵害にはなりません)等の返答や、
「そっちがパクったんだ」など泥沼化、さらに話がこじれて裁判沙汰になってしまうなど、
被害者の側からすれば、盗作されるのは、何の落ち度も無いのに突然とんでもない災厄に見舞われたも同然です。
しかし、盗作する本人は気楽なもので、
「作品を作りたいけど作れない、だから他人のを貰ってしまえ。」
そんな気持ちで簡単に、人の作品を奪ってしまうことも少なくないようです。
まず考えましょう。
自分が同じことを他人にされたら、あなたはそれを嬉しいと思いますか?
相手にやめてと訴えて、「お前がパクリだ」と答えが返ってきたら?
どれだけショックを受けるでしょうか。
「こんな思いをするくらいなら、もう何も作らない」とまで思いつめる人も、決して少なくはありません。
作品を作ったことがある人なら、上手く作れずに悩んだことがある人なら、
それが相手をどれだけ傷つけてしまう行為なのか、本当は誰より良く分かっているはずなのです。
その作品が本当に気に入ったのなら、それを作ってくれた人に
「転載させて欲しい」と、許可を貰って掲載することも出来るのではないでしょうか?
(無断転載禁止、という文言を掲げたサイトは多いです。しかしこれは、許可をとれば転載できる、とも読み取れます。)
あるいは「この作品は素晴らしいけど自分のはあまり良くない、アドバイスをもらえませんか?」と、
その作者といい関係を築くきっかけも出来るのではないでしょうか?
他人の努力や、他人の作ったものを「利用」するばかりでは、自分が成長できません。
あなたが本当に表現したいものは、あなたにしか完璧に作り上げることはできない、と言うことを忘れないで下さい。
技術を磨き上げて、あなたの表現で、みんなが憧れるような作品を作り出してください。
というわけで、前置きが長くなりましたが、というか長くなりまくりましたが。
ここからがこの文章を書くきっかけになった、WWAコンテストと著作権についての話になります。
あまりにも長文になってしまったので、このあたりで一度休憩を挟んで、ゆっくり読み進めてください。
今までは知識としての著作権の話。
ここから先は、自分で考えなくてはならない実践編になります。
では、休憩で人心地付いたら、あらためて
まず、これは、明確な許可を得ていない「版権WWA作者」を糾弾する意図の文章ではなく、
ましてや、「版権排除」を助長するような意図は全くありません。
さらに、「版権作品を推奨する」ものでも、「版権作品の製作を助長する」ものでもありません。
出来うる限り、中立の視点から書いているつもりです。(表現が若干偏ってしまっているのはご容赦ください)
版権作品が基本的には「著作権侵害」に当たるということは、多くの作者さんも自覚されていることだと思います。
この本題に入る前の前置きは主に、上記に当てはまらない、一部の無自覚な作者さんに宛てたものです。
そして私が訴えたいのは、何が何でも著作権を守りなさい、と言う一辺倒な考えではありません。
利用する側にも、「表現の自由」と言う権利があります。あらゆる創作活動は、表現の手段です。
利用者(あなた)と権利者(他人)の二つの権利のテリトリーが重なる場所で、あなたがどのように振舞うのかを考えて欲しいのです。
著作権についてよく考えてください。
元作品の著作者に対して、常に誠実で居てください。
自分の意見を持ってください。
自分で考え、自分のスタンスを持って、それを何度でも確かめてください。
間違っていないか、矛盾がないか、自分だけでなく、相手にも配慮できているのか。
誰にでも、そのスタンスを持って対応できるのか。
著作権法は、大きな会社の権利を守る為だけにあるものではありません。
創作活動をしている、あなた方自身の権利を守るものでもあるのです。
著作権について考える参考にもなるかと思いますので、
今までにWWAコンテスト関連で問題として指摘された部分をピックアップしておきます。
比較的古い意見も取り入れているため、必ずしも現状の問題点と一致するわけではありません。
作者さんにしてみれば、大好きなその作品のストーリーは完全に頭に入っているわけで。
「ストーリーにあんな話があったから、このくらいのヒントで分かるだろう」なんて仕掛けを組み込んだりすると、
同じ作品のファンから「あの仕掛けが良かったです!」なんてコメントももらえると思うのです。
同じ趣味の人に喜んでもらうことは、とても嬉しいことですよね。ですが。
作品の元ネタが分からず、仕掛けが解けないプレイヤーも居ます。
元作品のキャラクターが分からず、街中で迷うプレイヤーも居ます。
(yuhiroはポケモンのモンスター名をほとんど知りません。)
(「その話ならアチャモが知ってる」とヒントを貰っても、どれがアチャモだか分からないのです。)
その人たちにとって、その「凝った仕掛け」はどんな風に思われるのでしょうか。
誰でも楽しめるゲームバランスは、非常に難しいものです。
「難しかった」「簡単だった」の調整をするなら、どこかに切り捨てなければいけない要望も出てくるでしょう。
しかし、版権物を知らないと言うそれだけで詰まってしまう「一部の人」を、
気にも留めない、完全に切り捨ててしまうゲームでいいのでしょうか?
しっかりしたストーリーの作品では、版権物の画像を使わなくても話が通じるものがほとんどです。
なぜそれは、版権キャラの姿をしていなくてはならないのでしょうか?
使用許可されている別の素材を使って、同じストーリーを再現するのではいけないのでしょうか?なぜ?
引用や、海外で合法とされるパロディなどでも、目的の正当性(その作品を利用する必要がある)が認められない場合、
違法とされる可能性がきわめて高いというのが現実です。
そして、その版権元に親しみを持っていないプレイヤーから見た場合、
「人気稼ぎの為にキャラクターを使っているんだろう」という偏見をもたれてしまうことさえあります。
なぜそのキャラクターを使用するのか、もう一度、改めて考えてみてください。
既存のキャラクターを使用することは、製作の上で非常に楽です。
すでに見た目のデザインも決まっているし、性格や名前、年齢まで決まっているキャラクターなら、
作者は余計なことを考えずに、ゲームの内容だけに気を使えばいいということになります。
その上、作品のファンからの支持を得られるとなれば、作者には得になることばかりでしょう。
しかし、その一方で、長い時間を費やしてオリジナルのキャラクターを生み出し、
様々なアイデアを駆使してもなお、版権キャラの人気に負けて支持してもらえない、そんな作者も居ます。
それは自分には関係の無い世界の話でしょうか。
それとも、その人も版権物を使えばいいのに、と思うのでしょうか?
WWAコンテストは、「版権」「非版権」にこだわらないでいろんな作品をプレイしてもらい、
投票やコメントを元に「良かった所」「悪かった所」をそれぞれ考え、お互いに健闘をたたえつつ、
もっといい作品を作ってもらうための、技術を磨くためのコンテストです。
「おもしろいWWAを作りたい」という、同じ気持ちを持つ相手が、一方的に悔しい思いをしなくてはならない。
なんて、なんかおかしいですよね?
ですが、今の私にはどうすればこの問題が解決するのか、答えを出すことが出来ません。
どうすればそんなことがなくなるのでしょうか? コンテストBBSなどであなたの意見も聞かせてください。
投票者の全員が全員、疑問視されるような行動をとっているわけではありませんが、
投票時のコメントを見ると、ほとんど1作品だけをプレイして投票している人も一部居るように思えます。
作品数が多くなれば、全ての作品をプレイする時間はなかなか無いかもしれません。
しかし、その中のたった1つだけをプレイして、そのまま投票してしまうのでは、コンテストに本当に貢献しているとは言えません。
投票することで、あなたはコンテストの「参加者」になります。
「比較した上で評価する」という役目は、投票者のあなたにしか出来ない、責任ある仕事です。
投票時のコメントには、悩まされるものだと思います。
何と書けばいいのか分からなかったり、面倒臭くなってしまうこともあるかもしれません。
ですが、作者の側からすれば、ただ「面白かった」と書かれるよりも、
「こことここが面白かったけど、あれはこうだったほうがよかった。」
「あの部分は少し残念だったけど、ここが良かったのでこの作品に投票します。」
こんなコメントをもらえると、しっかり作品をプレイしてくれたことが作者にも伝わりますし、
メッセージを参考に次の作品へ取り組む励みにもなると思います。
ただの「おもしろかった」では、あなたの楽しかった気持ちは伝わりません。
どこが良かったのか、もし良くない所があったらどうすればいいのか、
作者はみんな、あなたからのコメントを楽しみに待っているのです。
この場合、作品の製作者だけでなく、コンテストの開催者にまで累が及ぶ可能性も十分あります。
直接製作にはかかわっていなくとも、サーバーに載せるという行為が法律違反に当たるという考え方があるためです。
コンテストなどのイベントでは、上記の理由から版権作品の出品を禁止する場合もあります。
現在、WWAコンテストの事実上の主催者であるSP.さんは「当面、版権の出品禁止などの予定はない」と明言されていますが、
出品者側にも、主催者に迷惑をかけないよう、最大限の配慮をする義務があるのではないでしょうか。
著作権について、版権作品について理解をし、責任を負った上での出品をお願いします。
具体的には、各自のサイトで公開する以上に、著作権への誠実なスタイルが求められてくると思います。
以下は、コンテストに関連して話し合われたBBSのログから、各人の意見を抜粋したものです。
引用元としてリンクしておきますが、元が掲示板のため、いずれログが流れてしまう(データが壊れてしまう)可能性もあります。
引用元、WWA Search BBS:http://www.tada-game.com/newbibiesu/index.cgi?mode=new_html&no=3155
なお、擁護派の意見が少ないのはBBSの話題への参加者が少なかった為であり、
意図して擁護派の意見を排除したのではないことを、ここに明記しておきます。
自分は版権に反対です。
たとえばハルヒとか、自分の好きなアニメやらマンガのWWAがあったら皆さんはどうします?。
そりゃ、やってみたいと思いますよね。
で、単なるWWA好きじゃなくて、そのゲームが好きな人も投稿するかもしれません。
元ネタが分かり、このゲームを作ってくれてありがとうなどの気持ちで他のWWAも見ずに、決めるかもしれません。
版権賛成の人もいれば反対の人もいる。以上、Tetsuさんの意見より部分引用。若干意図の分かりづらい部分があったので一部強調させていただきました。
まぁ、意見というのは人それぞれのものですが、版権モノは訴えられる可能性が「0」ではないです。
ですが、自作物はまったく訴えられる理由がなくなりますね。
まぁ、ストーリー盗作とかしてたら別ですが・・・。
〜「版権の何処が悪いんだよ?」と聞かれたら〜以上、烏龍ティーさんの意見より部分引用。なんちゃらかんちゃらの部分が良くわかりませんが編集なしです。
私は版権自体に嫌悪感や憎しみを持っている訳ではありません。
しかし、著作権なんちゃらかんちゃらです。
作成側の人間が版権が大好きなのは実際に作品になっているから分かるのですが、自分だけの視野だけでは世の中何でも通用しないです。
認識が甘い故に、版権が溢れ出し、今のように討論が行われているのです。
(深刻な著作権侵害作品があった場合、主催者側まで罪に問われる可能性がある、ということを受けて)
それが一番怖いんですよね^^;
今まで、なにも考えないでやってきましたが、
周りに被害が及ぶ可能性があると、まじめに考え直さなければいけないんですよね。
版権物で参加しようと思っているみなさんへ。以上、sfz2137さんの意見より部分引用。
僕がこんなことを書くのもなんですが、
「版権物禁止」と言うことにはならないように頑張ります。
しかし「著作権」については、僕は反論する内容がありません。
ですので、僕からも、お願いします。「版権物の使用は、自己責任でお願いします。」
以上、jさんの意見より部分引用。一部誤字を修正し、補足を付け加えてあります。訴えられる危険性はまず無いと思われます。
吾亦紅さんのおっしゃっている理由もありますし。
ただ、問題は著作権を侵害と言うことです。
「訴えられないからそれでよい」と言うわけにはいきません。以下「やってはいけない!!ホームページの掟」より引用。一部省略。URLは家アイコンをクリック。
(yuhiro補足:リンク先はこちら>http://www2.plala.or.jp/Cool/okite/red06.html)『確信犯はともかくとして、悪いことだと知らずにやっている人もいます。インターネットは米国からはじまったせいもあって、「原則自由」の文化です。
でも、「やってはいけない」こともあるわけです。ネット外で「やってはいけない」ことはネット上でも「やってはいけない」のであり、盗作をはじめとして誹謗・中傷、詐欺などがネット上では許されるなんて道理はありません。』
版権モノWWA(以下版権モノと省略)の作者さん達は
分かっているでしょうか?
自分の作品を盗られた本当の作者さんの気持ちを。
自分のキャラが第三者によって思うがままに操られ、
好き勝手に使われている作者さんの気持ちを
(別にどうでもいい、自分の作品が有名になるのならそれでもいいという人たちも居るので、
本当の作者さん全てがこの様に思っているわけではありません。あしからず。
しかし、中にはこういう考え方をする人もいるという事も胸に留めておいてください)。
はっきり言わせてもらいますが、
版権モノを作った作者様たちは著作権を侵しています。
上に挙げた文の通り、「やってはいけない」事をしているのです。
ですが、それを自覚して、自己責任でWWAコンテストに参加するようにすれば良いと思います。
版権モノの作者さんの中にも、とても素晴らしい作品をお作りになられる方々がいます。前回のWWAコンテストを見れば一目瞭然です。
ただ、「自分達は法を犯している」という自覚を忘れないようにしてください。
私の理想を言えば、部門分けも禁止もせずに、作者の技術で双方が接戦になれば良いのに、と思っています。
投票者層の問題が大きいならば、新しい投票者を呼び込む努力をすることも出来る。
作者同士で、他の作品もプレイしてみてください、とお互いの作品を薦めてみれば、
もう少し他作品にも目が向くかもしれない。問題の解決方法は、きっと一つだけではないはずです。
分かりやすい方法、確実に目的を果たせる方法はありますが、
出来る限り共存、共栄の方向を探ってみたいと思います。
私がこの話題を振った発端は、「結論を出すこと」が目的なのではなく、
それぞれが「自分の意見」をしっかり持って置いて欲しい、
改めて問題点などをしっかり認識した上で、「自分の責任」を考えて欲しい、
そんな思いが始まりでした。SP.さんのように、ちゃんと学習した上でご自分のスタンスを貫かれている方には、議論すること自体が無駄に見えると思います。
ですが、私にとっては「そうでない人たち」への問題提起です。
真剣に意見をぶつけ合うことで、「じゃあ自分はどう思う」のか、考える機会になって欲しいと思います。
>大丈夫
>違法ではないこれは誤解ですよ?
著作者の正式な許可を得ていないものについては、著作権法上、全て「著作権侵害(違法)」になります。
著作権者から訴えられないかぎり、確かに「罰せられる」ことはありませんが、
違法であることには違いありません。「怒られなければやってもいいじゃないか」と思うか、
「よくないことは、怒られなくてもやっぱりよくないことだ」と思うか、
人それぞれ考え方はあると思います。ですが、「大丈夫」や「違法ではない」といったような誤った解釈が広がってしまうのは困ります。
許可を得ていない立場にある以上、訴えられる可能性は決して0にはなりません。
罰金を払わなくてはならないかもしれない、周囲に迷惑をかけるかもしれない、
法を侵すからにはそのリスクを負う責任も持たなくてはなりません。この意味さえ理解できないような子供たちに、リスクを負ってもらいたくはないんです。
私もjさんと同様、「全て理解した上で、責任を持って」参加してくれる作者さんについては、
拒む理由は何もないと考えています。
むしろハンデなしで胸を借りたいです(笑)本当は、版権物を扱っている作者さんだからこそ、著作権についてのいろいろを訴える機会もあると思いますし、
積極的に「著作権とそれに対する自分の考え」を訴えていって欲しいんですけどね。
大丈夫、とか、間違ったことを広められちゃうと困りますけど。
>版権物作者さんの反応BBSログ、yuhiroの発言より抜粋。件数が多いのは著作権発言にレスしまくっていたからであって、他意はありません。
版権反対派の中に入りづらいのは分かります。
ただ、ご自分のサイト上で、あるいは日記でも、誰も見ないプロフィールの片隅でも構いません。
著作権を侵害するつもりではないこと、自分の作品への見解など
(「怒られなければOKだ」と思っているわけではないなら、大丈夫、とかいう表現はダメですよ。表現はしっかり考えてください)
すこしずつでも、アピールしていってもらえたらと思います。
反対派や中立派などの立場が同じでも、人それぞれ、違った意見や見解を持っているのが分かっていただけたでしょうか。
どの意見が正解・不正解というわけではなく、それぞれの意見が、考えた結果であるということが最も重要です。
「なぜ相手はその結論を出したのか」をさらに考え、「では、こうすれば解決するのではないか」と意見を交換したり、
もし間違った認識の上に成り立っている意見だった時は、「これは本当はこうだから、その意見は成り立たない」と指摘してあげたり、
(決して非難はしないで下さい。知識不足は誰にでも起こることです。)
コミュニケーションを深めることで、イベントはきっと、より良いものになっていくと思います。
さあ、長々と続いた講釈もこれでおしまいです。
この先は、あなた自身の考え方一つ。
あなたの意見は、ちゃんと見つかりましたか?
今すぐにわからなくても、いつかぜひ、それを言葉にして、きっと教えてくださいね。
WWAコンテストというきっかけはあったものの、ここに書き綴ったのは、今までずっと私が抱えてきた想いです。
大好きな版権物のキャラクターで作品を作りたい、という気持ちにも共感できる一方で、
あまりにも配慮に欠けた、無神経な二次創作の数々に、心苦しい思いをしたことも数え切れないほどありました。
しかし、私自身、著作権に関して専門家というわけでもありませんし、
未熟な知識で、訴える機会にも恵まれないまま、長い時間を過ごしてきました。
今回、やはり未熟な形ではありますが、今までの想いを一つの形にすることが出来ました。
このページをきっかけにして、みなさんの著作権への関心が深まってくれることを、心から願います。